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所得税とはどんな税金?計算方法、税率、控除などの基本を知ろう!

2020年1月25日

この記事のテーマ(ポイント)

  • 分かっているようで分かっていない、『所得税』の仕組みと基本を理解しよう!

 

自分がいくら所得税を支払っているか、具体的金額は忘れちゃったなあ、、
1.『所得税』とはどんな税金なの?

2.『所得の種類』によって税金が変わることもある!

3.『所得税』の計算方法

4.(サンプル)『所得税』の計算例

5.『源泉徴収』では毎月所得税を支払ってるのはなぜ?

6.2020年の税制改正でどんな影響がある?

の手順で計算内容を確認してみましょう! 

 

『所得税』とはどんな税金なの?

『所得税』とはどんな税金なの?

<👨おっさんのつぶやき>

・所得税って、何となくお給料から引かれてるけど、仕組みや制度の詳細は理解できてないなあ、、

 

『所得税』とは、個人が得た所得に対してかかる税金であり、一年間の収入から各種の控除を差し引いた『課税所得』に対して、国が税金をかける「国税」になります。(これに対して住民税は地方税)

『所得税』の一つの特徴として「累進課税方式」という点があり、簡単に説明すると、「所得が高くなれば高くなるほど税率も高くなる(=所得が大きい人ほど税負担が重くなる)」という制度を取っております。

※具体的な税率は、「3.『所得税』の計算方法」でご説明します

 

また、平成25年(2013年)から令和19年(2037年)までの期間限定で、『所得税』の税金に加えて、『復興特別所得税』という税金も課税されます。

これは、東日本大震災からの復興を目的として、所得税の金額に対して2.1%をかけた金額を、追加課税するというものです。

 

それでは、次の項目から具体的な『所得税』の仕組みや計算方法などに関してご説明していきます。

※ちなみに、以下はすべて令和元年(2019年)の制度・税率を前提としております

 

『所得の種類』によって税金が変わることもある!

『所得の種類』によって税金が変わることもある!

<👨おっさんのつぶやき>

・会社員の場合、給料以外の所得はどのように税金を支払ったら良いの??

 

会社員や公務員などの『源泉徴収』を受けている方は、『所得税』と言えば、毎月のお給料や賞与(ボーナス)から引かれる税金というイメージが強いかと思いますが、それ以外に得た所得についても、当然ですが『所得税』の対象になります。

 

『所得税』が対象とする所得については、「所得の区分(=種類)」というものがあり、税率や税金の支払い方が変わってくる場合もあります。

具体的にどのようなルールであるのかについて、以下のとおりご紹介していきます。

 

所得の区分(種類)

『所得税法』では、以下のとおり、所得を10の区分に分類しております。

注意点として、①~⑩のどれにあたるかによって、控除(=課税の対象外にできる金額)の条件や税率が変わる場合もあるということです。

 

また、大きな分類としては、「総合課税制度(=所得を合計して税率をかける)」と「分離課税制度(=総合課税とは分けて個別に所得税を支払う)」の2つの制度で内容が変わってきます。

 

「総合課税制度」とは

いろいろな所得を合計して税率を決めるよ!

『総合課税制度』とは、「給与所得」や「不動産所得」などの各種の所得を合計して、その合計金額に応じた税率をかけて『所得税額』を確定するという制度になります。

 

『総合課税』の対象になるのは、次にご説明する『分離課税』に該当しない全ての所得です。

※上の表でいうと原則は①~⑤、⑧~⑩が対象なのですが、この中でも分離課税になるものもあります(「銀行預貯金の利子(=①利子所得)」など)

 

例えば、「会社員の給与所得=300万円」と「アパート経営での不動産所得=300万円」の場合には、『年間課税所得=600万円』に対して『所得税』を計算する必要があります。

※600万円(=330万円超~695万円以下)だと、税率は20%(そこから控除が472,500円)

※「給与所得(300万円)は会社が源泉徴収で納税してくれますが、「不動産所得(300万円)」は所得を得た翌年2月~3月に自分で確定申告で納税が必要

 

詳細条件を知りたい方は、以下の国税庁ホームページのほうも合わせてご確認ください。

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「総合課税制度」

 

「分離課税制度」とは

総合課税とは分けて、個別に税額が決まるよ!

『分離課税制度』とは、「ある特定の所得(=分離課税が適用される所得)」については、他の所得と分離して、所得税を計算して個別に税額が決まるというものです。

 

『総合課税制度』では、合計所得が高くなるほどに個人の税負担が重くなるため、一部の所得はこれを避けるために分離課税としているという背景があります。

※上の表でいうと⑥、⑦とその他の番号の一部の所得が分離課税となります

 

例えば、「会社員の給与所得=総合課税」と「退職金の所得=分離課税」の2つの収入があった年は、これを合算するのではなく、それぞれを個別に『所得税』を計算します。

また、「退職金の所得」には、「特別な控除(=税金が減る)」があるので、通常の給与よりも実質的な税負担は軽くなります。

 

分離課税』については、以下の記事にもう少し詳しいところをまとめてみましたので、確認されたい方は合わせてご覧になってください。

分離課税とは?(株・FX・退職金は分離課税?税金計算や申告方法など)

所得税は「総合課税制度」が原則で所得が増えるほど税負担が大きくなりますが、「退職金」など一部の所得は税負担を軽くするために「総合課税」とは分けて税金を算出(=分離課税)します。「分離課税」の仕組みをきちんと理解してしっかりと節税をしましょう。

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『所得税』の計算方法

『所得税』の計算方法

所得税の計算方法について、以下のSTEP1~3の手順で確認してみましょう。

 

step
1
課税所得金額を算出

まず、『所得税』の対象となる『課税所得』を算出する必要があります。

『課税所得』は何かというと、会社員などの源泉徴収を受けている人であれば、『年収(額面金額)』から、『給与所得控除』を差し引き、さらに『所得控除』を差し引いた金額となります。

「課税所得?控除?って何?」、「年収と所得と課税所得の違いは?」という点が分からないという方は、下記の記事を先に見たうえで、この記事を再確認いただくとより理解が進むかと思いますのでチェックしてみてください。

源泉徴収票とは?(仕組みや税金額の計算方法を理解しよう!)

会社員の方は、税金や社会保険料の手続きは会社にお任せ状態なので、「詳しくは分からないなあ、、」という人が多いのではないでしょうか?
「源泉徴収」に関して、「税金」、「控除」、「年末調整」、「年収と所得と課税所得の違い」など、これを機会にしっかり理解しましょう!

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step
2
所得税の計算

次に、STEP1で計算した『課税所得』の金額に基づいて、以下表の「課税される所得金額」に応じた税率をかけることで、『所得税』が算出できます。

※例:「100万円なら5%」、「700万円なら23%(※但し、控除が63.6万円)」

上記の表で注意すべき点として、課税所得が330万円のとき、330万円×10%=「33万円」が税額ではないということです。

330万円のうち、「~195万円までは×5%」、「195万円超~330万円(=135万円)は×10%」とその金額範囲ごとに異なる税率で算出し、それを合計した金額が所得税となります。

 

ただ、これだと計算が面倒なので、「課税所得×税率」を計算して、その金額から「控除金額(上の表右列)」を差し引くと、同じ金額が簡単に計算できるようになっております。

つまり、以下の計算方法の【A】と【B】でいうと、計算方法【B】の方式ということになります。

☆課税所得330万円の計算方法【A】
「195万円×5%=97,500円」+「135万円×10%=135,000円」=232,500円

☆課税所得330万円の計算方法【B】
「330万円×10%-97,500円」=232,500円

 

step
3
復興特別所得税の計算

次に、STEP2で計算した『所得税』の金額に対して、「2.1%」をかけた数字が『復興特別所得税』となり、この金額は『所得税』に加算されて課税されます。

 

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(サンプル)『所得税』の計算例

実際に計算してみよう!

前の項目でご紹介した計算方法に基づいて、実際のサンプルで計算してみましょう。

以下は、「年収:500万円のある会社員の一年間の所得」に対する『所得税』として計算したものになります。

※ここでは、「給与所得」以外の所得はない前提

 

step
1
課税所得金額を算出

まず、『課税所得(=税金がかかる所得金額)』の算出ですが、「①年収(額面金額):500万円」から「②給与所得控除:154万円」と「③所得控除:266万円」を差し引いて、以下のとおり『800,000円』という計算のイメージになります。

 

ちなみに、『③所得控除』は妻と子供二人の扶養家族が多いパターンを想定しており、266万円が控除(=税金の対象外)となることを想定した計算例となります。

『所得控除』の控除金額は、家族構成などの個人ごとの事情により大きく異なりますので、もう少し詳しく知りたいという方は、下記の記事も合わせてご確認ください

所得控除とは?(基礎を理解しよう!金額の計算方法、控除の種類など)

『所得控除』とは、扶養家族、保険の加入などの個人の事情を加味して、所得税から一部金額を控除(=税金の対象にしない、つまり税金が減る)するものです。
きちんと理解しておかないと、税金の払い過ぎで損をする可能性もあるので、ポイントをしっかり押さえましょう。

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step
2
所得税の計算

つぎに、STEP1で計算した「④課税所得」が800,000円なので、これに税率=5%をかけて、80万円×5%=『40,000円』が『所得税』となります。

 

step
3
復興特別所得税の計算

この『所得税:40,000円』に、2.1%をかけた金額(※百円以下切り捨て)の『800円』が『復興特別所得税』となります。

この二つを合わせた、『40,800円』が税金として最終的に課税される金額となります。

 

<計算のまとめ>

 

『源泉徴収』では毎月所得税を支払ってるのはなぜ?

所得税は年末12月に確定するんだよね。。あれ?1月から毎月の給料で、所得税引かれてるのはなんでだろう、、

 

『所得税』は毎年12月に一年間の所得を合計して計算するのですが、会社員などの給与所得者は、「それなら、一年をまとめて12月支払いでなく、毎月の月給や賞与で所得税が引かれてるのはなぜなの?」という疑問が生まれるかと思います。

 

これは、『源泉徴収』を受ける給与所得者は、年間の所得税を12月末に一括支払いするのではなく、「見込み金額で1月からの月給や賞与から所得税を徴収する」という決まりになっているためです。

 

具体的には国税庁が定める「源泉徴収税額表」というものがあり、「課税所得(※)が〇円~△円の範囲は、所得税は◇円を支払う」という決まりに基づいて月給や賞与から所得税が控除(=天引きされる)されています。

※ここでの「課税所得」とは、「収入(非課税の手当を除く)から社会保険料」を引いた金額となります

※「早見表」の詳細を確認したい方は、以下の国税庁ページの資料も合わせてご参照ください

(☆リンク 引用元:国税庁ホームページ「平成31年(2019年)分 源泉徴収税額表」

 

この「源泉徴収税額表」は見込み金額なので、年末12月に各種控除を含めて『所得税』の最終確定金額を計算すると、ほとんどの人は「見込み金額」と「確定金額」にズレが生じます。

その金額のズレ=過不足を調整(「還付:過剰を返してもらう」OR「追加徴収:不足を支払う」)するのが、『年末調整』という仕組みになります。

 

あくまでイメージとしてみていただきたいのですが、『年末調整』の流れは以下のような流れになります。

※以下表の前提:「①見込み所得税=10,000円(毎月の月給から天引き)」、「②年末に計算した所得税の確定金額=100,000円」、「③年末調整での還付(=返ってくる)金額=20,000円」

 

『年末調整』については、以下の記事で個別にまとめておりますので、もう少し詳しく確認されたい方は合わせてチェックしてみてください。

年末調整を理解しよう!(控除って何?還付金はいつ戻る?計算方法など)

『年末調整』とは、会社員などの給与所得者が『源泉徴収』で支払った所得税などの税金について、年末の最終確定税額と差額が発生したときに過不足を調整することを言います。『年末調整』をきちんと理解して、税金で損をしないようにしましょう!

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2020年の税制改正でどんな影響がある?

2020年には「給与所得控除」、「所得控除(基礎控除)」の控除金額に変更が発生し、所得金額によっては増税となります。

2020年の税制改正について、以下の記事に個別にまとめてみましたので、宜しければ合わせてご確認ください。

2020年に税金が変わる?増税なの?控除金額の変更など基本を理解!

2020年から税金が変わる!変更点をしっかり理解して自分の税金への影響を知っておこう!(増税なの?減税なの?何か手続きが必要なの?)

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源泉徴収の仕組みを再確認しましょう!

源泉徴収の仕組みを再確認しましょう!

会社員や公務員の方であれば、毎年自分の年収や税金が書かれた『源泉徴収票』をもらっているかと思いますが、自分で確定申告をしていないので、いまいち詳しい内容が分からないという方も多いのではないでしょうか?

以下の記事に、『源泉徴収』の仕組みや、計算方法などをまとめましたので、宜しければ合わせてご確認ください。

源泉徴収票とは?(仕組みや税金額の計算方法を理解しよう!)

会社員の方は、税金や社会保険料の手続きは会社にお任せ状態なので、「詳しくは分からないなあ、、」という人が多いのではないでしょうか?
「源泉徴収」に関して、「税金」、「控除」、「年末調整」、「年収と所得と課税所得の違い」など、これを機会にしっかり理解しましょう!

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(まとめ一覧)税金・社会保険料・源泉徴収・年末調整などを理解しよう!

(まとめ一覧)税金・社会保険料・源泉徴収・年末調整などを理解しよう!

<👨おっさんのつぶやき>

・「税金や社会保険料が差し引かれているのは分かるけど、金額の計算方法や税率までは知らないなあ、、、

私たちは、働いて得た収入の全額を利用できるわけではなく、「税金」や「社会保険料」を支払う必要がありますよね。

特に給料収入のサラリーマンや公務員の方は、「源泉徴収」や「年末調整」について、詳しい内容や税額が決まる仕組みまでは知らないという方も多いかと思います。

以下の記事ページにて、「各種税金(所得税、住民税など)」や「源泉徴収」、「年末調整」、「確定申告」などの仕組みや計算例に関してまとめておりますのでぜひ参考にしてみてください。

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