この記事のテーマ(ポイント)
- 年収500万円を前提に、源泉徴収の計算例:サンプルを作ってみました!
- 源泉徴収の計算方法が簡単に分かる!


2.『①支払金額』の計算
3.『②給与所得控除後の金額』の計算
4.『③所得控除の額の合計』の計算
5.『④源泉徴収税額』の計算 ※⑤住宅ローン減税の有り/無しで2パターン
の手順で計算内容を確認してみましょう!
目次
年収500万円での『源泉徴収票』の計算事例(サンプル)
上の画像は、年収500万円の方の源泉徴収票のサンプルの計算事例(『住宅ローン減税』が有り)となります。
①、②、③、④、⑤のそれぞれの項目について、どのような計算になっているのかについて、順番にご説明させていただきます。
※ちなみに、以下はすべて令和元年(2019年)の制度・税率を前提としております
そもそも、「源泉徴収制度ってなに?」とか「年収と所得と課税所得って言われても意味わからん、、」という方は、下記の記事を先にご確認いただくとより理解が進むかと思います。
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源泉徴収票とは?(仕組みや税金額の計算方法を理解しよう!)
会社員の方は、税金や社会保険料の手続きは会社にお任せ状態なので、「詳しくは分からないなあ、、」という人が多いのではないでしょうか?
「源泉徴収」に関して、「税金」、「控除」、「年末調整」、「年収と所得と課税所得の違い」など、これを機会にしっかり理解しましょう!続きを見る
『①支払金額』の計算
ここでは、『①支払金額:5,000,000円』を前提として計算いたします。
『①支払金額』とは、「年収(額面金額)」のことであり、その年の1月~12月の期間に対して会社などの給与支払者が支払う給与(月給、賞与:ボーナス)の合計金額です。
また、注意点として、支払者から支給される給与に含まれることのある「通勤手当」や「出張旅費(交通費)」などの一部の『手当』は、『①支払金額』からは除外されます。
※例えば、通勤手当(定期代など)であれば、この費用は会社(事務所)へ通うための『経費』であり、これに対して個人から税金を取るのはおかしいので課税対象となる「支払金額」には含めないという考え方です。
『②給与所得控除後の金額』の計算
給与所得控除とは、自営業・個人事業主でいう「必要経費」にあたるイメージであり、この金額のことを通常は『所得金額』と呼びます。
以下の表のとおり、年収金額に応じて控除(=税金の対象から差し引かれる)される金額が決まっております。
『①支払金額:500万円』であると、「収入金額(=支払金額:500万円)×20%+54万円=154万円(給与所得控除)」となり、これを差し引いた『②給与所得控除後の金額は、3,460,000円』という計算になります。
『③所得控除の額の合計』の計算
『所得控除』については、納税者の「配偶者や扶養家族の有無」などといった個人の事情に応じて、税金を控除するという制度になります。
ここでの計算としては、以下の内容を前提条件として、控除金額を算出しております。
※『社会保険料』は、ここでは計算をシンプルにするために「年間:80万円」とキリの良い金額を前提にしております
【A】配偶者:有り(夫、もしくは奥さんがいる)で、配偶者の年間所得は38万円以下
【B】扶養親族:有り(長男:20才、長女:17才)で、扶養親族2名とも年間所得は38万円以下
【C】社会保険料(厚生年金、健康保険、雇用保険)は、年間80万円を支払い
【D】生命保険料は、生命保険:年間9万円(新制度)、介護保険:年間3万円(新制度)を支払い
【E】地震保険料は、年間2.5万円を支払い
以下一覧表の計算内容のとおり、『所得控除の合計額は、2,660,000円』となりました。
つまり、『所得(給与所得控除後の金額):346万円』から、この『所得控除:266万円』を控除(差し引いた)した金額=『課税所得は800,000円』となります。
『所得控除』は控除項目が多く、計算方法や適用条件も複雑なので、もう少し詳しく『所得控除』の内容を知りたいという方は、以下の別記事に概要をまとめておりますので合わせてご確認ください。
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所得控除とは?(基礎を理解しよう!金額の計算方法、控除の種類など)
『所得控除』とは、扶養家族、保険の加入などの個人の事情を加味して、所得税から一部金額を控除(=税金の対象にしない、つまり税金が減る)するものです。
きちんと理解しておかないと、税金の払い過ぎで損をする可能性もあるので、ポイントをしっかり押さえましょう。続きを見る
『④源泉徴収税額』の計算(2パターン)
『④源泉徴収税額』とは、『所得税』と『復興特別所得税』の合計金額になるのですが、ここでは、『⑤住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)』の有り/無しで2パターンの税額を計算してみました。
復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興を目的として、所得税の金額にさらに2.1%を追加課税するというものです。
まず、「計算手順①」として、『所得税』を以下の表に基づいて計算します。
前の項目で計算した通り、『課税所得(=税金がかかる所得金額)=800,000円』なので、『所得税は×5%の税率』が適用されます。
つまり、所得税は、800,000円×5%(0.05)=40,000円となります。
この所得税に『復興特別所得税』を足して『源泉徴収税額』が決まるのですが、『⑤住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)』がある人と無い人で計算が異なります。
住宅ローン減税があるパターン(【A】)と、無いパターン(【B】)の2つのケースを以下のとおりご紹介させていただきます。
パターン【A】住宅ローン減税有り
パターン【A】では、『⑤住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)』が、100,000円の控除が有る前提で計算いたします。
これをもとに計算すると、以下の計算式の通りとなり、『④源泉徴収税額』は0円(所得税は無し!)となります。
住宅ローン減税での控除金額のほうが所得税額よりも大きい場合、このように『源泉徴収税額=0円』となる場合もあるのです。
<源泉徴収税額の計算>
計算手順①「所得税の計算」
⇒ 800,000円×所得税5%=40,000円
計算手順②「住宅ローン減税による所得税の控除」
⇒ 所得税:40,000円-100,000円=0円(マイナスは無いため0円)
計算手順③「復興特別所得税」
⇒ 所得税:0円×復興特別所得税2.1%=0円
計算手順④「源泉徴収税額」
⇒ 所得税:0円+復興特別所得税:0円=0円
パターン【B】住宅ローン減税無し
『⑤住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)』が無い場合、以下の計算式の通りとなり、『④源泉徴収税額』は40,800円となります。
<源泉徴収税額の計算>
計算手順①「所得税の計算」
⇒ 800,000円×所得税5%=40,000円
計算手順②「復興特別所得税」
⇒ 所得税:40,000円×復興特別所得税2.1%=800円(百円未満は切り捨て)
計算手順③「源泉徴収税額」
⇒ 所得税:40,000円+復興特別所得税:800円=40,800円
上のパターン【A】のとき、「え? じゃあ、6万円分は減税されないの、、」と思った方もいるかもしれませんが、『住宅ローン減税』は『所得税』で控除しきれなかった場合には、『住民税』にも控除(=税金が減額される)が適用されます。
『住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)』についてもう少し詳しく知りたいという方は以下の記事も合わせてご確認ください。
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住宅ローン減税の基本を理解!(控除の適用条件、計算方法、書類など)
「住宅ローン減税」を使ってお得に住宅を購入するために基本を理解しましょう!「減税を受ける条件」、「税金の計算方法」、「申請手続きの方法」などなど、注意すべきポイントをご紹介します。
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(まとめ一覧)税金・社会保険料・源泉徴収・年末調整などを理解しよう!
<👨おっさんのつぶやき>
・「税金や社会保険料が差し引かれているのは分かるけど、金額の計算方法や税率までは知らないなあ、、、」
私たちは、働いて得た収入の全額を利用できるわけではなく、「税金」や「社会保険料」を支払う必要がありますよね。
特に給料収入のサラリーマンや公務員の方は、「源泉徴収」や「年末調整」について、詳しい内容や税額が決まる仕組みまでは知らないという方も多いかと思います。
以下の記事ページにて、「各種税金(所得税、住民税など)」や「源泉徴収」、「年末調整」、「確定申告」などの仕組みや計算例に関してまとめておりますのでぜひ参考にしてみてください。
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(まとめ一覧)お金の勉強!税金、社会保険、源泉徴収、年末調整を簡単理解!
「税金」や「社会保険料」は、給料など自分の収入に大きく関係するけれど、細かい仕組みまで学ぶ機会は少ないかと思います。
私たちの生活やお金に影響があるポイントという観点でまとめてご説明しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。続きを見る
お金持ちになりたい!(お金を増やす、お金を節約の具体的方法)
「お金」が全てではないですが、「お金」についていろいろ悩まされることは多いですよね。
超大富豪にまでならないとしても、「いつもお金の心配」をしたり、「お金が無いからガマンばっかり、、」という状況にはなりたくないですよね。。
少しでも生活を改善し、より豊かな生活を送るための『節約:お金を減らさない』&『収入UP:お金を増やす』の取り組みについて、以下のページでご紹介しておりますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
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お金持ちになりたい!(お金を増やす、お金を節約の具体的方法)
お金持ちになりたい!でも待ってるだけでは空からお金は降ってきません!お金を増やす&節約(減らさない)のための具体的な方法、お得な情報などをご紹介します。
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