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分離課税とは?(株・FX・退職金は分離課税?税金計算や申告方法など)

2020年1月27日

この記事のテーマ(ポイント)

  • 『分離課税』の仕組みや計算方法について基本を学ぼう!

 

分離課税って、何と何が分離されるということなの?? いまいち分からないなあ、、
1.『分離課税』とはどんな税金なの?

2.支払い方式は2つある!(源泉と申告)

3.『分離課税』にも複数種類がある!(税率などの違い)
・「利子所得」
・「配当所得」
・「退職所得」
・「山林所得」
・「土地建物等の譲渡所得」
・「株式等の譲渡所得」
・「先物取引にかかる雑所得(FX)」

のポイントをおさえて、『分離課税』の基本をマスターしよう! 

 

『分離課税』とはどんな税金なの?

『分離課税』とはどんな税金なの?

<👨おっさんのつぶやき>

・分離課税って、そもそも何を分離してるの? 仕組みがわからないなあ、、

 

『所得税』と『住民税』には、『総合課税』の対象になる所得と、『分離課税』の対象になる所得があり、所得の種類によって2つの課税方式があります。

 

まず、『総合課税』というのは、いろいろな所得(給与所得、不動産所得など)を合計した金額に税率をかけて税額を確定する制度であり、『分離課税』に指定されない所得は全て『総合課税』として税金を支払います。

以下は総合課税での『所得税』の税率一覧表となり、全ての課税所得を合計した金額に応じた税率を適用します。(金額が上げるほど税率が高くなる=累進課税制度)

 

これに対して、『分離課税』とは何かというと、「ある特定の所得(=分離課税が適用される所得)」については、他の所得とは分離して所得税を計算し、納税額が確定するという制度になります。

 

『分離課税』がある理由は、『総合課税』では「所得が大きいほど税負担が重くなる=累進課税方式」を取っており、一部の所得については税金が高くなりすぎないように、『総合課税』とは分けて税負担を軽くすることが考慮されているためです。

分離課税の具体例として『退職金所得』があり、退職金の税負担を軽くするために分離課税にしております。

※仮に、退職金が総合課税だとすると、「年間給与の課税所得が300万円」の人が「退職金所得を1700万円」もらうと、課税所得が2000万円となり「所得税=40%+住民税=10%」で半分税金にとられてしまいます、、、

 

『所得税』の仕組みについて、もう少し詳しく理解したいという方については、以下の記事も合わせて参考にしていただけると本記事もより理解が進むかと思います。

所得税とはどんな税金?計算方法、税率、控除などの基本を知ろう!

分かっているようで、意外と分かっていない所得税について、基本を理解しましょう。(所得税の税率、計算方法、分離課税など)

続きを見る

 

それでは、次の項目から具体的な『分離課税』の仕組みや計算方法などに関してご説明していきます。

※ちなみに、以下はすべて令和元年(2019年)の制度・税率を前提としております

 

支払い方式は2つある!(源泉と申告)

支払い方式は2つある!(源泉徴収と確定申告)

<👨おっさんのつぶやき>

・分離課税って、どうやって支払ったら良いの??

 

『分離課税』の支払いには、『源泉分離課税』と『申告分離課税』という2パターンがあります。

『源泉分離課税』は所得を支払う人が納税する(=所得を得る人は税金が引かれた金額で支払いを受ける)、『申告分離課税』は所得を得た人が自分で「確定申告」をして納税するという違いになります。

 

『源泉分離課税』の代表的なものとして銀行の貯金に発生する『利子所得』があり、『利子所得』は銀行が『源泉徴収』で利子の金額から税金を支払ってくれるため、利子を受け取る人は確定申告の必要がありません。

 

『申告分離課税』の例としては、自分の家や土地を売った時の『譲渡所得』があり、これは『譲渡所得』を得た人が自分で税務署に『確定申告』する必要があります。

 

分離課税の「源泉」と「申告」の違いについて、もっと詳しく知りたい方は、以下の国税庁ホームページもあわせてご確認ください。

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「源泉分離課税制度」

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「申告分離課税制度」

 

『分離課税』にも複数種類がある!

『分離課税』にも複数種類がある!

次に、『分離課税』の対象になる所得ってどんなものがあるの?、ということについて確認していきたいと思います。

 

まず、所得税法では、所得の内容に応じて『所得の区分』というものを定めており、以下の①~⑩の10種類に分けております。

原則として、『分離課税』の対象ではない全ての所得は、各所得を合計した金額をに対して税率をかけて、その年の税額を確定するルールになっております。(=『総合課税方式』)

 

上記①~⑩のなかで、『分離課税』の対象となる所得について、以下のとおり税率や計算式についてご紹介させていただきます。

ひとつ注意点として、『分離課税』のなかでも、所得の種類によって、控除額や税率、手続き方法が異なる場合があるので、その点も注意してご確認ください。

 

『総合課税』OR『分離課税』のどちらに該当するかのさらに詳しい条件を確認されたい方は、下記の国税庁ホームページもあわせてご確認ください。

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「総合課税制度」

 

「利子所得」の税率と計算式

『①利子所得』とは、預貯金や公社債の利子などによる所得が該当します。

利子所得は原則として『源泉分離課税』が適用され、利子として得た所得金額に以下の税率をかけた税金が源泉徴収(=差し引かれて)、所得の支払者(例:銀行預金ならその銀行)が納税してくれます。

つまり、『利子所得』を受け取る側の人は、既に税金が引かれた利子を受け取っているので、特に手続きは不要となります。

<源泉徴収での税率>

・所得税及び復興特別所得税:15.315%
・住民税:5%

 

「配当所得」の税率と計算式

『②配当所得』とは、株式の配当金や、投資信託の収益分配金などの所得になります。

配当所得では、『源泉分離課税』の場合は以下の税率が適用されるのですが、『総合課税』か『申告分離課税』を選択することも可能です。

<源泉徴収での税率>

・所得税及び復興特別所得税:15.315%
・住民税:5%

 

『総合課税』、『申告分離課税』を選択されたい場合の詳しい条件を知りたい方は、以下の国税庁ホームページの内容をご確認ください。

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」

 

「退職所得」の税率と計算式

『⑥退職所得』とは、会社員などの給与所得者が勤務先を退職する際に支払われる一時金の所得を指しております。

退職所得は、原則として『源泉分離課税』が適用されるので、退職金所得を受け取る個人が確定申告する必要はありません。(=退職金の支払者が納税してくれる)

 

また、『退職所得』には手厚い控除があり、以下の計算式で算出した金額が所得から控除(=税金の対象外になる)されます。

さらに、『退職所得』の場合は、控除後の金額に1/2をかけた金額(=半額)が課税対象の金額になります。

その課税対象金額に税率(給与所得などと同じ税率)をかけて税金額が確定します。

 

以下に計算例として、退職金:2,000万円、勤続30年の会社員の方を想定して、退職金にかかる税金(所得税と住民税)を計算してみました。

所得税及び復興特別所得税と住民税の合計で、405,702円となりました。

<退職所得の税金計算例>

①退職金
⇒2,000万円

②控除金額
⇒800万円+70万円×(30年-20年=10年)=1,500万円

③課税所得金額
⇒(①2,000万円-②1,500万円)×1/2=250万円

③所得税及び復興特別所得税
・所得税⇒(250万円×10%)-97,500円=152,500円
・復興特別所得税⇒152,500円×102.1%=3,202円

④住民税
⇒250万円×10%=250,000円

※ご参考情報 ☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「退職金と税」

 

「山林所得」の税率と計算式

5年以上の期間所有している山林の木材を、伐採もしくは立木の状態で売却(譲渡)した際に得た所得については、『山林所得』として『申告分離課税』の対象になります。

林業は木を育てるのに何年間も期間がかかるため、伐採して売却する年にまとめて所得が入る場合が多く、その際の税負担が大きくなりすぎることを軽減することが目的です。

※ちなみに、山林を山ごと譲渡した場合の土地部分の所得は譲渡所得となります。

<山林所得の税金計算式>

①課税所得の算出
⇒総収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円)=山林所得の金額

②税金の算出
・所得税⇒①山林所得×1/5×所得税率×5
・住民税⇒①山林所得×1/5×住民税率(10%)×5

 

「土地建物等の譲渡所得」の税率と計算式

『譲渡所得』は、原則として『総合課税』の対象なのですが、マイホームを売却したりなどの「土地建物等の譲渡所得」については『申告分離課税』の対象になります。

注意点として、収入金額(=土地建物が売れた金額)から取得金額(=買った時の金額)と譲渡費用(=販売手数料や印紙代などの必要経費)を引いた利益(=所得)に税金がかかるという点です。

 

しかも、特別控除(=一定金額を課税対象から差し引く)があって、マイホーム売却の場合は3,000万円が控除されます。

つまり、「3,000万円で購入したマイホーム」は、少なくとも「6,000万円以上で売却」しないと、基本的に税金がかかることはないということになります。

※「収入金額:6,000万円」-「取得金額:3,000万円」-「特別控除:3,000万円」=0円

 

以下は譲渡所得が発生した場合の税金の計算式ですが、売却した土地建物が長期取得(=5年以上)か短期取得(=5年以内)のどちらかによって所得税の税率が変わります。

さらに詳しい内容を確認されたい方は、以下の国税庁ホームページをご確認ください。

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」

<土地建物等の譲渡所得の税金計算式>

①課税所得の算出
⇒収入金額-(取得費 + 譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得

②長期譲渡所得税金の算出
・所得税⇒①課税譲渡所得×15%
・住民税⇒①課税譲渡所得×10%

③短期譲渡所得税金の算出
・所得税⇒①課税譲渡所得×30%
・住民税⇒①課税譲渡所得×10%

※②、③の所得税には、令和19年までは復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算

 

「株式などの譲渡所得」の税率と計算式

株式等の譲渡所得についても、特例として『申告分離課税』の対象になります。

「株式」とは何かというと、株式会社の「株式」のほかに、「投資信託」、「公社債」といったものも対象に含まれております。

対象項目について、もっと詳しく知りたいという方は、以下の国税庁ホームページをご確認ください。

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」

 

また、「特定口座制度」というものがあり、証券会社などで口座を開設する際に、「源泉徴収ありの特定口座」で登録すると、税金(所得税と住民税)を証券会社が源泉徴収で納税してくれるので確定申告の必要がありません。

「源泉徴収ありの特定口座」を利用していない場合は、『申告分離課税』として所得を得た本人が税務署へ確定申告する必要があります。

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「特定口座制度」

 

税金の計算式はシンプルで、株式などの譲渡(=売却)で得た利益金額に対して、以下の税率をかけた金額が納税額となります。

<株式等の譲渡所得の税金計算式>

①課税所得の算出
⇒総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)=課税譲渡所得

②税金の算出
・所得税⇒①課税譲渡所得×15%
・住民税⇒①課税譲渡所得×5%

※所得税には、令和19年までは復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算

 

「先物取引にかかる雑所得(FXなど)」の税率と計算式

「FX(外国為替証拠金取引)」などの「先物取引」は、『総合課税』が原則の『雑所得』に分類されるのですが、特例として『申告分離課税』の対象になります。

「先物取引」に含まれる主なものとしては、「FX(外国為替証拠金取引)」、「商品先物」、「日経225先物」などが対象となります。

 

注意点としては、「先物取引」には「特定口座制度」はないので『申告分離課税』として税務署への確定申告が必要であることと、「先物取引の雑所得」以外の所得とは損益通算(※)できないという点になります。

※損益通算では「A商品で損失=100万円」と「B商品で利益=100万円」の場合に差し引き0円となりますが、「先物取引の雑所得」以外の所得、例えば「株式の損益(=譲渡所得)」などとは損益通算はできないという意味になります。

 

「先物取引の雑所得」については、以下の税率となっております。

☆リンク: 引用元=国税庁ホームページ「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」

<先物取引にかかる雑所得の税金計算式>

①課税所得の算出
⇒収入金額-必要経費(取得費+手数料等)=課税雑所得

②税金の算出
・所得税⇒①課税雑所得×15%
・住民税⇒①課税雑所得×5%

※所得税金額には、令和19年までは復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算

 

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源泉徴収の仕組みを再確認しましょう!

会社員や公務員の方であれば、毎年自分の年収や税金が書かれた『源泉徴収票』をもらっているかと思いますが、自分で確定申告をしていないので、いまいち詳しい内容が分からないという方も多いのではないでしょうか?

以下の記事に、『源泉徴収』の仕組みや、計算方法などをまとめましたので、宜しければ合わせてご確認ください。

源泉徴収票とは?(仕組みや税金額の計算方法を理解しよう!)

会社員の方は、税金や社会保険料の手続きは会社にお任せ状態なので、「詳しくは分からないなあ、、」という人が多いのではないでしょうか?
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(まとめ一覧)税金・社会保険料・源泉徴収・年末調整などを理解しよう!

<👨おっさんのつぶやき>

・「税金や社会保険料が差し引かれているのは分かるけど、金額の計算方法や税率までは知らないなあ、、、

私たちは、働いて得た収入の全額を利用できるわけではなく、「税金」や「社会保険料」を支払う必要がありますよね。

特に給料収入のサラリーマンや公務員の方は、「源泉徴収」や「年末調整」について、詳しい内容や税額が決まる仕組みまでは知らないという方も多いかと思います。

以下の記事ページにて、「各種税金(所得税、住民税など)」や「源泉徴収」、「年末調整」、「確定申告」などの仕組みや計算例に関してまとめておりますのでぜひ参考にしてみてください。

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